川嶋直事務所のホームページ等に出てくる言葉で、「??」と思われるかも知れない語の「川嶋直的」な用語解説をします。「川嶋直的」とは、川嶋にとってその言葉がどんな意味を持ち、どんな付き合いをしてきたかということです。それぞれの語の一般的な意味は別途確認してください。

KP法 (ケーピーホウ)

紙芝居プレゼンテーション法の略称。ホワイトボード等の壁面に、A4判程度の用紙に手書きでキーワードを書いた紙を10数枚貼りながらお話するアナログなプレゼンテーション手法です。1セットは15枚程度で4分程度。話す内容の1/3〜1/4程度をキーワードにして示すことで、聴衆は聞くことと考えることに集中でき、話の軌跡が見え、話者の表情も見えるという特徴があります。KP法は川嶋の発明ではありませんが、その方法を「KP法」と名付け、本や講座を通じて普及に努めてきました。

参考:
「KP法〜シンプルに伝える紙芝居プレゼンテーション」
http://amzn.asia/0HRDwGw
「対話を生みだすKP法〜アナログプレゼンテーションのすすめ」
https://amzn.asia/d/8YeAdlM

えんたくん

5人程が厚さ8mm、直径1mの円形テーブルを囲みながら対話を続ける際のダンボール製テーブルの呼び名です。対話の手法はワールドカフェとほぼ同じです。円形ダンボールを5人の円座の膝に載せてテーブルを作ります。その上に同径のクラフト紙を載せ、そのクラフト紙に話された内容(キーワード)をどんどん(誰でも)書いて行きます。書かれた言葉を眺めながら、さらに対話を進めます。ワールドカフェと同じ様に10〜20分毎に数回の席替えをします。「対話促進ツール」とも言われています。話された言葉を書き留めて見える化し、書かれた言葉を指さしながら対話を続けます。言葉は書かれた瞬間に「誰が言った」が消え「何を言った」が残ります。また、5人で一枚のダンボールを支えるため、一緒にこたつを囲んでいるような一体感も生まれます。
参考:
「えんたくん革命〜1枚のダンボールがファシリテーションと対話と世界を変える」
http://amzn.asia/4p2oS1J

インタープリテーション (Interpretation)

本来は通訳・解釈という意味です。1980年代から川嶋は清里の森の中で、一方的な説明ではなくアートや日本文化の要素も取り入れた参加型の自然体験活動を工夫してきました。インタープリテーションという概念と出会ったのは1982年に訪れた米国のヨセミテ国立公園でのことです。最初の頃は自然の案内を「見せる/話す」という情報伝達から、自分で体験して発見するという「伝える手法」についての工夫に腐心していましたが、最近ではお客さん(参加者)の中にあるものと「つなぐ」ことに腐心するようになってきました。
参考:
「インタープリテーション入門〜自然解説ハンドブック」
https://amzn.asia/d/0cfxLuCw

ファシリテーション (Facilitation)

気がつくと私は、研修、会議、ミーティング、フォーラム等の「設計とファシリテーション」をしていることが多くなりました。今や上記は僕の仕事の大半を占めるまでになりました。ファシリテーションのスキルは1985年頃から環境教育の人材育成を始めて以来40年のOJTで身につけてきました。OJTと言っても、ただ場数を踏んできたのではありません。自ら実践し、多くの方からフィードバックをいただき、また参加者の一人として優れたファシリテーションに数多く触れながら学んできました。コロナ禍の3年間は、オンラインファシリテーターとしての体験も積み重ねることができました。現在は「インタープリテーション全体計画」の策定ワークショップを、ファシリテーターとして全国各地で数多く担当しています。
参考:
「社員全員をファシリテーターに〜学び合う会社に育てる研修設計
日能研ファシリテーション・トレーナー・トレーニングのすべて」
http://u0u0.net/0LxC

環境教育

この語に初めて出会ったのは1986年頃だったと思います。85年から大人対象の宿泊型体験プログラムを開催していました。一般対象の「エコロジーキャンプ」と、指導者養成の「レンジャートレーニングキャンプ(後にインタープリターズキャンプ)」です。新聞記事で「環境教育」という語に出会い、自分たちのやっていることは「環境教育」なのかもと思うようになりました。その後1987年に清里ミーティング(翌年から清里環境教育ミーティング:現在の公益社団法人日本環境教育フォーラムの前身)を開始し、1990年には日本環境教育学会設立のお手伝いもしました。公益社団法人日本環境教育フォーラムには発足当初から関わり、2014年から8年間は理事長も務めました。
「環境も教育もやりなおしだ」は1990年のキープ協会環境教育事業部のパンフレットに書かれた言葉です。環境教育は「環境の課題解決のため」だけでなく、「教育の課題解決のため」にも存在するという考え方は、その頃から今も変わらない私の環境教育観です。

自分事務所を作ろう

組織に属するかどうかよりも、自分が本当にやりたい仕事を自ら構想し、その実現に向けて動くことを大切にしたいという考え方です。
(以下は拙著『就職先は森の中』のエピローグ(あとがき)の一部です。1998年)
ぼくは、多くの若い人たちに「インタープリターという仕事」や「森の中の仕事」に就いてほしいと願ってこの本を書いたわけではありません。どうぞ、自分自身の仕事をつくってください。どこかに雇われることだけを考えるのではなく、自分が実現したい仕事(夢)を持ち、その実現のために動いてほしいのです。どうぞ「仕事をください」なんて言わないで、まずは自分自身の中に「自分事務所」を開設することから始めてみてはいかがでしょう。そして、いつか一緒に仕事をしましょう。
参考:
「就職先は森の中〜インタープリターという仕事」
http://amzn.asia/1qePGQS

清里

初めて清里に行ったのは中学3年生の夏、調布市の宿泊施設が清里にあったためです。2度目の訪問は高校2年の春でした。前年秋から始まった都立国立高校の学園紛争の中、僕は全学の代表委員会議長になり、家族とも相談してその状況から少し距離を置きたくて、兄が通っていた立教大学の関連施設であった清里のキープ協会清泉寮に行きました。その時の滞在は約3か月でした。大学に入ってからは休み毎に清泉寮に働きに行っていました。卒業後2年してついにキープ協会に就職することになり、1980年春、26歳の時に清里に移住しました。それ以来ずっと清里に住んでいます。気がつけば人生の大半を清里で過ごしてきました。
参考:
「就職先は森の中〜インタープリターという仕事」
http://amzn.asia/1qePGQS

PKT

ペチャクチャタイム(隣の人とまず話す時間)のこと。ファシリテーションの世界では「バズセッション」などと呼ぶこともあるようです。講義の直後に会場からすぐ質問を受けないで、「周辺の方と2人か3人組を作って、今の講義を聞いた感想をどうぞ自由にお話しください。質問はその後に伺います。時間は2〜3分間です。それではPKTです!」と伝えます。「2〜3人、2〜3分」の理由ですが、人数が4人以上になると聞き役になってしまう方がでてしまうことと、あまり長い時間PKTをしなくても2〜3分で十分とこれまでの経験で思うからです。60分の講義だったら、25分過ぎたところで最初のPKTとQAを5分、後半の25分後にもう一度PKT&QAをやります。講演者毎にこのPKT実施をその日の会場の習慣にしてしまいます。PKTをやった後の質問は明らかに質が向上します。(その理由はまたいずれ⋯)

GCPアンケート

グー(G)チョキ(C)パー(P)アンケートのこと。講演(研修)会場の聴衆(参加者)の皆さんの様子を一瞬で把握する方法です。良くやるのは「(講演で触れるテーマ)◯◯について」「G=あまり良く知らない、C=聞いた(見た)ことはある、P=だいたい分かる(やったことがある)」などと3択を提示して、「それではセーノ!」と一斉にグーチョキパーを出してもらいます。この際、「ではグーの人」「チョキの人」「パーの人」等のように順番に聞かないことが大事です。一斉にあげてもらうことでより正しい調査ができます。基本的にグーは「知らない」から、パーは「知ってる」の順に3択の回答例を作成します。「あ〜良かった、グーは俺だけじゃないんだ〜」という安心感を生みだすこともできます。加えてGCP直後に僕からは「今日はグーの人中心にお話しますので」とグーの人に安心感を与えるフォローも忘れません。

ホワイトボード漫談

KP法を使ってのお笑いライブの芸のジャンルの呼び名です。「落語/漫才/コント/スタンダップコメディ」などのような芸のスタイルを、川嶋自ら「ホワイトボード漫談」と命名しました。現在確認できる範囲で「ホワイトボード漫談」に一番近いのは、ケーピー川嶋の芸名の元になっているケーシー高峰さんでした。なぞかけ芸の「ねづっち」も以前ホワイトボードを使っていたこともあったようですが、キーワードを書いた紙をマグネットでホワイトボードに貼りながら話を進める方法は、私の知る限りでは、ケーピー川嶋独自のスタイルのようです。

ケーピー川嶋

KP法(紙芝居プレゼンテーション法)を使って、ホワイトボードにキーワードを貼りながら話を進める「話芸」を披露する、お笑いライブの時に使う芸名です。ケーピーの意味は2つあります。ひとつはKP法のケーピーです。もうひとつは黒板にチョークで医学用語をなぐり書きしながら話すピン芸人のケーシー高峰さんから無断で頂戴しました。どちらも言葉の見える化をしながら話を進める方法は同じです。ただケーシー高峰さんが話のオチの多くをシモネタにしていたのに対して、ケーピー川嶋は、環境教育とオヤジギャグを芸に変えてしまう芸風です。